ビジネス化した歯科医療

歯科医は、患者が必要とする医療を提供することによって、適切な報酬を得る。しかし、本来不必要な検査や治療が、患者にとって必要であると信じ込ませ、それらを実行して、医療という領域から逸脱した行為 (ビジネス) をしている歯科医もいる。患者側は何が必要か、何が必要無いかを理解できず、知らない間に医療事業の片棒を担ぐことになる。

ある歯科院長は、「医師誘発需要」がある医療サービスを提供する者として、「患者が治療の必要性を感じ、すべて合意の上で治療を進める」ことを遵守し、自らを戒めて治療に取り組んでいる。医療経済学で考えると、消費者である患者側と医療サービス提供者である医療機関側が取得できる情報量に圧倒的な違いがある。従って患者は、歯科医師の勧める治療法に任せることが多くなり、情報量が多い歯科医師には有利な取引になる。

情報提供者が要求を制御できるため、歯科では、この「歯科医師誘発需要」が作動しがちであり、最初は経過観察する必要がある歯を治療してしまう、不要な歯周病検査を実行する、強制的に自費治療に誘導するなどの問題が、歯科医療ビジネスの問題として指摘されている。ある院長は「歯科治療の問題は、歯科医と患者の同意がない間に治療が行われることです。治療開始時には、歯科医の説明→歯科医からの治療の選択肢の提示→息者の同意→治療というプロセスを踏む必要があります」と言う。

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